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時計愛好家なら垂涎の時計が放出!


ウィリアムズ氏のコレクションを撮影したもの。

 私たちは裏庭にある木造のガレージの隣にあったシンプルな椅子に腰かけ、間の椅子に時計が置いてあった。二人ともマスクをしていたが、私が「こんにちは、よろしくお願いします」、そして「すみません、このマスクがずっと鼻の下に落ちてくるんですけど、わざとじゃないんですよ」と言った後、私がウィリアムズ氏に最初に言ったのは、「どうしてこれに似た時計を1つもっているのに、微妙に違うものが欲しいんですか?」というものだった。

 ウィリアムズ氏は微笑んだが、その目は、寛容な人によく見られるような、自嘲気味で少しうんざりしているような感じだった。そして彼は「だって、私が頭がおかしいから?」と言った。

 彼は2005年、昼休みにトゥルノー(Tourneau)の店に入り、IWCのポルトギーゼ・オートマティックを見たときの話をしてくれた。当時、彼はアパレルブランドのマーケティングマネージャーとして働いており、決してたくさん稼いでいたわけではなかったため、この小さな時計に「いつか戻ってくる」と約束し、その3年後、マーケティングコンサルタント会社を立ち上げた後、彼は再び店を訪れて約束を果たしたという。「それは私にとって本当に重要な瞬間でした。地下鉄の中でその時計を着け、わあ、自分の総収入の10%を手首に着けているんだ、と思ったのを覚えています」。私はこのスリルに深い親近感を覚えた。自分にとんでもなく素敵なプレゼントを買うということは、常日頃から間違った決断をしているにもかかわらず、自分は大丈夫と言い聞かせているようなもので、この購入もその一つに過ぎないのだと。

 数年間、彼は自分がIWCというブランドに夢中になっているだけだと思っていた。「何と素晴らしい仕事をしているんだろう。全てが審美的に統一され、まとまりのあるものにしている」と。しかし、IWCの時計を5本、そしてチューダーを2本(ロレックスのような存在でありながら、知る人ぞ知る控えめな存在であることが気に入っている)もつようになった頃には、彼は、自分が夢中なのは単にIWCやチューダーといったブランドではないと認めざるを得なくなった。彼は時計そのものに夢中だったのだ。

 彼が話している間に、私が時計を着けてみようとすると、彼は親切にもクラスプを締めるのを手伝ってくれた。というのも、時計のクラスプが見た目ほど直感的に扱いやすいものでなく、私が全くの機械音痴であることがその理由だ。場合によっては壊してしまうのではないかという恐怖心が、行動をひどいものにしている。「時計はどうやってもダメになることはありませんよ」と彼は励ましてくれた。確かに、これらの時計はとても頑丈なものである。私が一番に気づいたのは、時計が実に重いということと、ダイヤルデザインがその重量感を強調しているということだった。

Illustration of a hand selecting a watch
 チューダー ブラックベイの大きな白いドットや、IWCの巨大なイニシャルも気に入ったが、私が盗んでしまいたいと思うほど惹かれたのは、洗練された印象のレベルソだった。これは私に似合っていたし、毎日でも着けていたいと思ったのだが、彼は、ほとんど袖を通すことがないスーツを着る時にしか着けないと言った。そうか、彼はゴルフをするときにそれを着けるんだ、彼はゴルフをよくするようだし。私は、彼がコースに出るときに、あの格好いいヒンジのメカニズムを動かしているのが想像できた。そして、私は自分がバーに入って、あのメカニズムを動かしているのを想像した。バーで、私は手を振り回しながら話すため、新品の時計に傷を付けてしまったりすることがある。スポーツで怪我をする人もいるが、私の場合はジェスチャーで怪我をしてしまうのだ。

 私のレベルソへの親近感は、彼がなぜあれほど多くのIWCをもっているのかを理解するのに役立たった。というのは、彼がパイロットウォッチに夢中になるのと同じように、私はポロウォッチに夢中になっているのがよく分かったからだ。私はとにかくこのパチンという音が大好きで、100種類のポロウォッチから100通りの違った音を聞いてみたいと思っていた。もし私がレベルソを着けるとしたら、ジーンズを履いていてもドレスを着るときでも、あるいは買い物に出かけるときでも、ずっと着けていることだろう。この時計を着けたら私はスニーカーには決して合わせない。それは要するに、この時計は私の名誉のために、その効果をすぐに発揮してくれるということを意味する。

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